ティアハイム・ベルリン訪問記④日本・ドイツ今後の課題

こんにちは。
元とりきち横丁スタッフのヒロです(・∀・)おひさしぶりです!

さて以前よりスタッフのヴァレリアさんと共に「ティアハイム訪問記」として進めてきたブログ連載ですが、第1回目は「ティアハイムとは一体どんなところなのか」というテーマに沿ってティアハイムの成り立ち、基本精神、位置付け、そして実際のティアハイムで行われているツアーなどをお伝えしました。

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鳥たちが収容されている建物の敷地にて

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建物の中には様々な種類の鳥さんたちが収容されています

第2,3回目はヴァレリアさんが、ティアハイム・ベルリンにいる鳥たちについて、そしてヨウムについて具体的にリサーチしてくれた記事を掲載しました。

最終回の今回は、「日本・ドイツ、動物保護の今後の課題」をテーマに書きたいと思います。

1回目の記事にも掲載した通り、ドイツにおける”ティアハイム”という動物保護施設は知らない人が居ないほど広く知れ渡っており、ほぼ一般市民たち、そして企業の寄付によって運営され、動物たちに対する”意識””思いやり”が人々の生活に根付いていることを気付かされます。

長い歴史の中で動物たちとの深い関わり合いを通じ、親から子へ、子から孫へ、”動物たちが幸せに暮らす権利”を尊重する精神が次世代に脈々と受け継がれているからこそ「家のない動物たちを受け入れ、そして新しい家族が見つかるまでの終生飼養を行う」ティアハイムの存在意義も変わらずに継承されているのだと思います。

子どもたちをティアハイムへ招待する取り組みも積極的に行われており、小さな頃から動物保護の意義や動物との関わり合いを伝承し、教育を受けさせる機会を与えています。会報にも数ページ特集が組まれています。

そして、横丁代表のとりきちが発起人となって立ち上げた「BIRDSITTERS」もまた、無料のバードシッター制度というティアハイムのサービスの一つに大きく感化され、横丁を利用するお客様の中にもそのような意識を根付かせることができないか?と日本で立ち上げた組織です。

BIRDSITTERS FBページhttps://www.facebook.com/BIRDSITTERS.PR/

ドイツでは無料で鳥たちの一時的な預け、預かりが愛鳥家たちの中での”助け合いの精神”から成り立つことをティアハイムが証明しており、それは何より、一般市民たちにも動物たちに対する”意識”や”思いやり”があるからこそ他ありません。

日本における動物たちとの関わり合いをドイツと比較すると、やはり最大の課題となるのは「動物との正しい関わり合いを学べる教育の普及」が急務であると言えると思います。

日本においても、飼い鳥の教育啓発活動や保護活動を行っているNPO法人が存在する事をとりきちよりうかがいました。

多頭飼いによる飼育崩壊などで行き場のない鳥たちを保護、里親を募集し新しい飼い主を探す仕組みを整理、そして愛鳥家の方たちに正しい鳥の飼い方を教育する活動を行っている事をホームページでの活動内容にて公開しています。

ドイツのティアハイムのように寄付で成り立っているわけではなく、あくまで自治体から認定を受けたNPO法人ではあるものの、「教育」という点においては確実に人々の意識を変えさせる、もしくは、鳥との関わり合いについて正しい知識を定着させるという、鳥たちと暮らす一般の人々にとって重要な役割を担ってくれる存在に思えました。

日本では、犬や猫や魚類などの動物より鳥たちと暮らしている割合は低くなりますが、日本でのBIRDSITTERSやこのようなNPO法人の取り組みは今後鳥だけでなく、犬や猫やウサギといった他の動物たちに対しても一般的な活動の一つとして普及して欲しいと心から思います。

既に行っている団体や地域もあるかもしれません、ただ、まだまだ広く人々の間に一般常識として定着していない今の状況では教育の場が足りないと言わざるを得ません。

生まれた時から当たり前のように、動物との関わり合い、動物に対する思いやりや精神をイチから正しく教えるためには、今の動物を取り巻く状況を一変させる必要が有り、とてつもない労力を要することは想像するに難くありません。しかし、動物に対する意識の改革を少しずつでも普及させ、その輪を大きくしていく必要があると思うのです。

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”犬猫だけじゃなく鳥たちの事ももっと知ってね!”と言っております... た、多分(笑)

また、ここでひとつ皆さんにお伝えしたいことは、世界でも動物愛護大国であるドイツのティアハイムであっても、課題や問題が無いわけではありません。

1回目ブログにも掲載しましたが、ティアハイム・ベルリンでは毎日の運営にかかる費用は、毎日のエサ代、身の回りの備品、そして病気や怪我をしている動物たちの医療費などなど、実に1万ユーロ以上!にものぼります(日本円で123万円以上

巨額の費用がかかる状況でありながら、行政に頼ること無く莫大な寄付金でティアハイム・ベルリンは運営されていますが、ドイツ国内のティアハイムの中には資金繰りに苦しみ、閉鎖されるティアハイムも残念ながらあるそうです… 

小さな町などのティアハイムは人口や企業数によって資金不足に陥る事も然ることながら、ボランティアの人手不足もあるのでしょうね...(;_;)

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季刊誌BERLINER tierfreundにもこのような寄付を募るページがあります。
Helfen Sie Berlins Tieren in Not!困っているベルリンの動物たちを助けましょう!の言葉が。読者が寄付できるよう、振込用紙も付いています


また、生活苦から動物を手放さざるを得ないという人たちも後を絶たず、結果ティアハイムに来る動物たちが増加し、飼育期間も長期化してしまうために、1匹、1頭に対して十分な飼育スペースが確保できないティアハイムもあります。
その結果、スペースが無く止むを得ず近くのティアハイムでは受け入れが出来ない場合もあるとのことです。その際は違う町のティアハイムに空きが無いか確認しなければならず新しい家を見つけるまでに時間を要してしまうのです。

そして冒頭でも述べた「終生飼養」を目的としているティアハイムではありますが、治る見込みのない重い病気や怪我を抱えた動物や、飼育することが困難とされる危険な動物に対しては獣医師の診断と厳しい判断基準の元、安楽死させているという事実もあります。その数は正式に公表されていないため、こういった部分において、必ずしもティアハイムにおいて「殺処分ゼロ」であると言えるのか否かは難しいところです... 

そして、今回ティアハイムを訪れて強く感じたのが、ティアハイムという施設は、あくまで家をなくしてしまった動物たちにあるべき「仮のお家」🏠であって欲しいと強く思いました。

”唯一の希望”としての受け皿を持ちつつ、新しい家族と本当の「安心できるお家🏠」を持ってもらいたいと感じずには居られませんでした。

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多様な種類の動物たちが新しいお家を待っています。性格やいつ収容されたのかなど必要な情報が記載されていますので、気になったらすぐにティアハイムに問い合わせや直接訪問します

ドイツのティアハイムでも抱えていた様々な問題があったとしても、一つだけ言える事は、どこの国に暮らしていようがわたしたち人間たちが「正しい教育を受け、正しい知識を持ち、動物たちと共存していくこと」をまず第一に考えなくてはならないのでは無いのでしょうか。

まずは安易に動物をブランド物のようにみなさず、共に暮らすためにどういう準備が必要となるのか、どのような生活環境が必要となるのか、暮らし始めたらどのような問題が起こり得るか、不在にする時はどうするか、病気になる前に保険はどうするか... 考えるべきこと、知識を持っていなければならないことが沢山あります。

そのためには正しい教育と正しい知識を普及させる活動をもっと日本で行い広めるべきであり、誰もがそのような機会にもっと積極的に参加する意識を持てる社会になって欲しいと心から思うのです。

ドイツにおけるティアハイムの運営方法、国の方針、制度が全て正しいとは限りません。しかし、素晴らしいと感じられるドイツでの取り組みは積極的に日本に取り入れても良いのではないかと思うのです。

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ティアハイム鳥舎に飾られていたカレンダーです

その上で、BIRDSITTERSのような鳥たちと愛鳥家さんたちの助けとなる組織が日本に根付いてくれたら、愛鳥家さんたち同士の情報交換も出来るようになり、犬猫だけでなく鳥という小動物まで幅広い種類の動物たちが安心して幸せに暮らせる国であると、自分たち自身が感じられるようになるのではないでしょうか。(*^^*)

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ティアハイムの敷地内で目にする猫の足跡...※寄付してくれた方の名前が入っています

今回のティアハイムの連載記事を持ちまして、わたくし、ヒロはとりきち横丁スタッフブログからは離れますが、皆様には今後も変わらず横丁スタッフのブログを楽しみにしていただけたら幸いです♪♪

今までブログを読んでくださり、ありがとうございましたm(_ _)m
読んでくださっている皆さんが鳥たち、動物たちと末永く幸せに暮らせる世の中になりますように、わたしも願っています!

ヒロ(・∀・)☆

Tierheim Berlin ティアハイムベルリンHP
http://www.tierschutz-berlin.de/tierheim.html

Tierschutzbund ドイツ動物保護連盟HP
https://www.tierschutzbund.de

ティアハイム・ベルリン訪問記② 施設の鳥全体について


こんにちは、ヴァレリアです。
今回も、ティアハイムのレポートをお伝えしてまいります。

本日はティアハイム・ベルリンにいる全体の鳥について
お話したいと思います。具体的に「今、何種類の鳥がいるのか?
保護されてどれぐらいの期間、ティアハイムにいるのか?
迷子の鳥もいるのか?」について書きたいと思います。

「今、何種類の鳥がいるのか?」


2017年9月4日の記録によると、ティアハイム・ベルリンで
現在保護されている鳥の数は261羽、
種類はおよそ15種類ほどになります。

最も多いのは、ヨウム、セキセイインコとオカメインコですが、
ドイツには珍しい種類もいます。
例えば、姫鶉(ヒメウズラ)やテンニョインコです。

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「保護されてどれぐらいの期間、ティアハイムに
 いるのか?」


他の動物と同じく、鳥はティアハイムに来てすぐに
健康診断を受けます。
そして一週間ぐらい鳥の様子を観察した後、鳥用ケージに入ります。

しかし、鳥が病気や怪我をしている場合は他の特別な
ケージに移して、スタッフさんが鳥を看病します。
病気や怪我の程度によって看病に費される期間は
変わってきます。

保護されている大型の鳥の数が全体のどれくらいに当たるのかは
定かではありませんが、ティアハイム・ベルリンのサイトを
確認してみると、大型タイプの鳥は小型の鳥よりも長期間にわたり
ティアハイムに残っていることが分かります。

小型の鳥は飼いやすいため、保護されている期間が
短くなるようです。
一方、大型の鳥を飼うための条件は小型に比べて難しいため
ティアハイムにいる期間が長くなってしまうのだと思います。

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「迷子の鳥もいるのか?」

他の動物と違って、迷子になってしまった鳥は
このティアハイム・ベルリンにはいません。
施設にいる鳥は、スタッフさんが見つけてきた鳥の他、
飼い主によって直接、ティアハイムに持ち込みこまれた
鳥たちです。ティアハイムを案内してくださった
ガイドさんのお話によると、飼い主が自分の鳥を
ティアハイムに連れてきたケースが多かったそうです。

以上をもちまして、ヴァレリアによるティアハイムの
レポートを終了とさせていただきます。
最後までお読みくださり、どうもありがとうございました。

次回のティアハイム・レポートは、元・スタッフの
ヒロさんが担当します。
ティアハイム・ベルリンのシリーズ完結編です。
どうぞご期待くださいませ。

ヴァレリア

※数値やデータは下記ホームページ、
  及び冊子より引用して掲載しております※
◎ Tierheim Berlin ホームページ
http://www.tierschutz-berlin.de/tierheim.html

ティアハイム・ベルリン訪問記② ヨウムについて


こんにちは、ヴァレリアです!

今回は、元・スタッフヒロさんと一緒に訪問したティアハイムの記事の続きです。

以前、ヒロさんがティアハイムの歴史と、そこに住んでいる動物について記事をまとめました(こちら)。

私は今回、ティアハイムのヨウムについて書きたいと思います。特に「どうしてティアハイム・ベルリンにヨウムが他の愛鳥さんに比べて多かったのか?」を掘り下げて行きたいです。

それは、ティアハイムを訪れたとき、ヨウムが他の鳥に比べてとても多かったからです。そして、その理由を探っていくうちに面白いことが判ってきました。


最初にヨウムの一般な情報を述べます。

ヨウムはアフリカ西海岸の森林地帯に分布する大型インコです。一般な体調は約33㎝、そして体重は300-500g程度です。体の大半は淡灰色の縁取りのある灰色の羽毛に包まれています。

知能は高くて、人の言葉をよく覚える種として名高く、飼い鳥として人気があります。人の言葉を真似るだけではなく、言葉の意味を理解して人間とコミュニケーションを取る能力があると言われています。

ヨウムなどの大型インコの寿命は50年で、長く生きていることが出来ます。

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***

ティアハイムを訪問した際、ヨウムのケージはVogelhaus (鳥専用ハウス)にありました。

昔、ヨウムのケージは3ヶ所ほどに分かれてありました。今回見つけたケージは中ではなく、外にありました。その理由は中のスペースがどんどんなくなってしまい、ヨウムに適当なケージは外しか作られなかったそうです。

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ヨウムは1ヵ所に10羽ぐらいが住んでいます。ティアハイムのガイドの話によると、ヨウムの数は、ここティアハイム・ベルリンで過去数年間のうちに急激に増えたそうです。

ここティアハイム・ベルリンにいるヨウムは、ドイツ全国から来ました。ティアハイムは全国にあることがヒロさんの記事から分かるのですが、どうしてわざわざこのベルリンまでへヨウムが連れて来られたのでしょうか?

実はこのベルリンのティアハイムには特別なサービスがあるんです!!

そのサービスとは。。。ヨウムのパートナー仲介サービスです!ここベルリンでは、ヨウムのパートナーを探し、相性を見て仲介することが可能なんです。

ヨウムを飼っている人は多くの場合1羽だけを飼って育てていますが、ヨウムが成長すると、他のヨウムと交尾したくなります。そいう時期に差し掛かると、ヨウムの性格は激しく変わります。

普段、大人しいヨウムが急に騒がしくなって、声も高くなってきます。ケージの中で騒いで、自分で怪我する事もあります。

飼い主がそれでもヨウムを交尾させないとか、交尾させたくても、他のヨウムが近くいない場合、ヨウムは自分の羽を引きむしり始めます。すなわちストレスが増えてしまうのです。

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上の写真をご覧になると、首元の羽はもうないですね。。。羽を引っ張っていたヨウムは、他のヨウムからのけ者にされてしまい、交尾はその後、難しくなります。

幸い、ティアハイム・ベルリンには、このパートナー仲介サービスがあるため、交尾する時期が来たら、飼い主は自分のヨウムをティアハイムに連れて行き、預けます。

ティアハイムのスタッフはその後、預かったヨウムを交尾させようとします。もちろん、交尾できない可能性もありますが、大体できるそうです。交尾が終わったら、スタッフさんは飼い主を連絡して、ヨウムを迎える事が出来ます。

交尾する時間はヨウムによって違いますので、預ける時間に応じて、ティアハイムに代金を支払います。 

ティアハイム・ベルリンに、こう言う素晴らしいサービスが最近になって出来たことで、ヨウムの数が、預けられている鳥さんの中で最も多くなったったわけです。しかし正しくは、ティアハイムのヨウムの数が増えたからこそ、このサービスが始まったと言えます。

ヨウムは上記に書いている通り、長生きをします。残念なことですが、飼い主がヨウムを途中で飼いたくなくなる事も多く、結果、彼らはティアハイムにヨウムを連れて行きます。

ガイドさんによると、飼い主が亡くなったことで、その親類がヨウムをティアハイムに連れて来ることもあるようです。ヨウムは飼い主より長く生きていることもできますから。

今回もだいぶ長くなってしまいましたが、次回ヴァレリア担当ブログは、ティアハイムにいる全体の鳥さんについての記事です!

ヴァレリア

※数値やデータは下記ホームページ、冊子より引用し掲載しています※
◎ Tierheim Berlin ホームページ
http://www.tierschutz-berlin.de/tierheim.html
◎ Graupapageien-Infos ホームページ
http://www.graupapageien-infos.de/Startseite_1_1_0.html

ティアハイム・ベルリン訪問記① ティアハイムとは


こんにちは、ヒロです(*^^*)

日本に帰国しました後、ベルリンで見学したティアハイム・ベルリンについてレポートをまとめました。

2017年4月8日(土)、ベルリンにある動物保護施設
「Tierheim Berlin」(ティアハイム・ベルリン)に元・スタッフの私ヒロ、そして、研修生のヴァレリアさんが訪問してまいりました。

先日、国内スタッフのあかねさんがベルリンに研修に来た際も、ティアハイム・ベルリンを訪問した記事を掲載いただきましたが、元・スタッフのヒロと研修生ヴァレリアさんが、スタッフブログにまとめていく今回のティアハイムの記事もご覧いただけると幸いです。

ドイツに存在する“ティアハイムとは一体どんなところなのか?”といった部分を歴史的にも具体的に掘り下げていけたらと思っています。

「Tierheim」(ティアハイム)とは、ドイツ語で「Tier=動物」「Heim=家、施設」などの意味があり、つまりは動物の保護施設と位置付けられています。

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ティアハイムは、元々家がなく路頭に迷っていた、飼い主が亡くなり家がなくなってしまった、または飢えや寒さで傷ついてしまったなど、様々な理由から家が無くなってしまった動物たちの、”唯一の希望”として設立されています。

保護された動物たちが新しい飼い主を見つけ、また動物らしく幸せに暮らしていくこと、この望みを遂行していくのがティアハイムの重要な役割です。

しかし、病気だったり高齢だったりと新しい飼い主を探すことが困難と思われる動物はティアハイムでの終生飼養を基本としています。(基本、というのは、動物の病状などによっては獣医師の判断により止むを得ず安楽死させることもあります)

収容期間が定められ、ある一定の期間を過ぎたら”殺処分”する、といった日本の動物愛護センターとは全く異なります。

家のない動物を保護し、新しい飼い主が現れるまで収容された動物の面倒を見る、これがドイツのティアハイムの基本方針です。

また、ティアハイムを運営するドイツの多くの動物保護団体は、動物が苦痛を伴うこと無く、動物として生活ができる権利を守る活動やデモなども行っており、より活発な動物保護の動きが見られるのも特徴です。

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現在ドイツ国内には、ヨーロッパ最大規模を誇る大きさの”ティアハイム・ベルリン”を含む520近くの保護施設が設立されており、その存在はドイツ人であれば知らない人は居ないほど地域に根付いた歴史のある動物保護施設です。

ドイツを含むヨーロッパの動物保護に関する歴史は1820年台まで遡ります。日本はその頃まだ江戸時代です!

イギリスで馬や羊や牛などの家畜を虐待から防ぐための法案が1822年に制定され、その後次々に動物保護の団体が作られていきます。

ドイツでは、Stuttgart(シュトゥットガルト)が1837年に動物保護の団体が作られた最初の町として知られており、その後、Nürnberg(ニュルンベルク)やDresden(ドレスデン)など他都市にも動物保護の活動は急速に広まっていきました。

それから4年後の1841年、ベルリンでは、馬車馬の虐待を防ぐ事を目的とした動物保護団体が生まれ、これがのちの”ティアハイム・ベルリン”というヨーロッパで最大規模を誇る保護施設の設立の基礎となっていきます。

数年の間にドイツ国内には200近い動物保護団体が出来たと言われています。

数年の間で国を超えてのこの広がりはすごいですねΣ(゚Д゚)

1871年には、ドイツにおいて動物を虐待した場合、軽犯罪として150マルクの罰金、又は勾留とされる動物虐待罪が刑法の一部として規定されました。

1933年には、ナチスドイツ政権下、基本法(憲法)として動物保護法(Reichstierschutzgesetz)が独立・制定され(政治的な目的とも言われていますが…)、ナチス政権が倒れた後も現在に至るまで何度も法が改定されながらも人間と動物の共存していく関係の変化と共に動物保護の精神は受け継がれているのです。

そしてティアハイム・ベルリンにおいては、1901年6月22日、Lankwitz(ランクヴィッツ)という地区に動物保護施設として設立され、7年後には新しい管理施設も増設され、動物保護施設は地域に着実に根付いていくのです。

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ティアハイムにはメジャーな犬や猫だけではなく、勿論もいますし、ネズミ、ウサギ、モルモット、爬虫類、豚、アヒル、ニワトリ、馬、サルなど様々な動物が収容されており、ドイツ全体のティアハイムでは年間約30万匹近くの動物がティアハイムに収容されていると言われています。

ここのティアハイム・ベルリンには年間約15,000匹の動物が持ち込まれ、約1,400匹の動物たちが施設にいる状態であり(終生飼養が必要な動物もいます)、収容されている動物は毎日ご飯を食べることが出来、医療を受けることが出来ています。

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こちらはティアハイム・ベルリンの会員に配布される季刊誌「BERLINER tierfreund」です。2016年はティアハイム創設175周年でした!

設立から176年近く経った今でも一般市民に根付くティアハイムという施設、そもそもこの活動費は一体どこから??と不思議に思ってしまいます…(・・?

なぜなら、ティアハイム・ベルリンにおいては、1日の運営にかかる費用はなんと1万ユーロ以上!(日本円で123万円

ティアハイムにいる動物たちが健康に暮らすのに1日でこれだけの大きな費用がかかるため、ティアハイムから新しい飼い主が各動物を引き取るためには必要経費として引き取り料を徴収しています。

ちなみにフィンチやセキセイさんなどは15ユーロ、オウムさんなどは50ユーロほどの費用がかかります。ティアハイムから提供される食事、医療、生活空間の維持などを考慮すると、引き取り料も納得です。

(ちなみに犬は60~115ユーロ、猫は20~85ユーロ程の引き取り料がかかるようです)

通常であればこれら運用費は国などの行政から支出されていると思いがちなのですが、ティアハイムの運営費はあくまで民間、企業、会員による“寄付”でほぼ賄われていると言うから驚きを隠せません!

費用面での寄付が大半を占めますが、例えばスーパーに“ティアハイムの動物へご飯を!”といったボックスが設置されていれば、こちらのボックスにスーパーで買ったペットフードを一つポンっと入れるだけで、これらのご飯はティアハイムへ運ばれます。

ホームページではどこのスーパーに設置されているかネットでリサーチも出来るのです!

これだけでもティアハイムに暮らす動物の1回のごはんを賄えるとしたら…これも十分”寄付”に繋がりますよね。

また、寄付の中でも、”個人遺産”をティアハイムの動物のために寄付することもあり(!!)、また、年間最低20ユーロからの寄付でティアハイムの会員になることでその会費が寄付に繋がります。

会員は季刊誌“BERLINER tierfreund”を貰うことができ、最新の動物保護事情などを知ることが出来ます。勿論、新しい飼い主を探している動物の情報も詳しく掲載されています。

そして、動物を世話する人たちの事も忘れてはいけません。何より、”人力”が無ければ動物を保護することも出来ません。

正式に採用された職員の数は140名ほどですが、何と言っても550名を超えるボランティアの方々が無給で動物のお世話を担当しティアハイムを支えているのです!

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さて、ティアハイムの歴史や運営について、ササっと書いてまいりましたが、今回スタッフ・ヒロと研修生ヴァレリアさん“Kostenlose Führung durchs Tierheim Berlin”という、ティアハイムで働くスタッフの説明を受けながら2時間ほど施設内を見学するというティアハイムが実施している無料ツアーに参加してまいりました(゚∀゚)

この無料ツアーは月に2回ほど開かれており、希望者はティアハイムに直接メールを送るか電話をして予約を取ります。

人気のツアーとなっているため、予約で定員がいっぱいになることもあります!特に天気が良くなる春から夏にかけては予約も取りづらい可能性があります。

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ティアハイムは、ベルリン中心部から離れた郊外に立地しているため、公共機関であれば電車とバスを乗り継ぎ1時間ほどでティアハイムにたどり着きます。(最寄りバス197番線停留所名はそのまま”Tierheim Berlin”です)

実はバスを降りてからティアハイム入口まで10~15分程度歩きます^^;ティアハイムが広大な敷地の中に設置されてあることが分かります。車で訪問する場合はそのまま入口近くのパーキングに停めることが出来ますので、車で行くのがベストかもしれませんね。

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入口までの一本の道は、まるで広い農場の中をひたすら歩いていく感覚に近く、長閑な風景にしばし心を奪われます。

リンゴの並木道を通り過ぎると、ティアハイムが見えてきます。

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現在のFalkenberg(ファルケンベルク)という地域に引っ越しをしたのは今から16年前の2001年のこと。

ランクヴィッツの施設では手狭になってしまったこともあり、ベルリン北東に以前は養豚場として使用されていた広大な土地に移転すべく、行政からのお金を頼らずに10年以上寄付を募り、6,500万マルク(日本円でおよそ60億円弱)の建設費を賄ったとのこと!!

10年以上の時間をかけて多額の寄付が民間からされていたことがわかりますね。
現代であれば、クラウドファンディングなどで全世界から寄付を募る事もできるでしょうが…^^;

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こちらがティアハイムベルリンの入口です。

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ティアハイムの受付がこの扉の奥にあり、参加者はツアー開始時刻までしばし待機です。

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今回参加したツアーには40人近くの参加者がいて、子供から大人まで沢山の人がツアーを今か今かと待っていました。

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開始時間になると、参加者の人数によりますが、ティアハイムの職員(またはボランティア)が説明を始めます。

ティアハイムの大きさや収容動物などなど基本的な情報を教えてくれます。

説明に疑問があれば随時参加者からガイドに質問が飛び交い、参加者がティアハイムの実態について積極的に知ろうとする姿勢が垣間見れました。

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今回のツアーは参加者多数だったため、ふた手に分かれてツアーが始まりました(^O^)

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まずは、ウサギやモルモット、ハムスターなど小動物がいるエリアからスタート。

すでに新しいお家を見つけることが出来た動物たちの写真が壁一面に貼り出されています。

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子供も真剣に動物たちの様子を見ています。

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この3匹のモルモットが木の皿の上を走り回っていて、1匹が見事に遠心力により落下(笑)面白い動画が撮れたのですがこちらのブログに掲載が出来ず…Σ(゚Д゚)断念スミマセン…(ToT)

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そして、次に早速Vögel Haus(鳥専用ハウス)へ!

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写真を沢山撮っていたのですが、鳥についての説明が若干少なめだったのが残念でした。

説明してくれる担当者によって、得意な分野や知識が色々あるのだと思いました(^_^;)

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まずは、沢山のヨウムさんたちがお出迎えです。想像以上に多くのヨウムさんがこの大きなケージの中にいました。

Vögelhausの中の他3ヶ所ほどのケージをヨウムさんが独占しておりました(^_^;)

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”Loras Laube”と名付けられた鳥専用ハウス。

ただ、鳥についての詳しい記事は、研修生のヴァレリアさんがリサーチ中です!こちらに掲載されるまで今しばらくお待ち下さいm(_ _)m

ただ、写真だけは先にこちらでご紹介させていただきますね(*^^*)

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オカメインコさんたち。セキセイさんと同じくらい沢山いました。

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並ぶと荘厳です(・∀・)

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白オウムさん。人間がいるとかなり近寄ってきます(^O^)

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Σ(゚Д゚)ずっと視線を感じると思ったら…
睨んでる?見つめられてる…??(笑)

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コザクラインコさん

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フィンチさん2羽は動きが早すぎて2羽を1枚に収めるのが至難の業でした^^;

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何度も目を瞑っていたので、もう、お眠間近ですね(=_=)

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オカメさんセキセイさん
これ、EX◎LEのジャケ写のように並んでる気がしません…?(;´∀`)

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オカメさんセキセイさん、

キレイにイエロー軍団として(笑)まとまってます(^^)

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今度はブルーのセキセイさんが前面に(笑)

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ヨウムさんのこの凄み…(゚A゚;)ゴクリ
カッコいいけど、結構ビビります(笑)

鳥専用ハウスの見学は、この日あっさり終わってしまったのですが、ツアー後にもう一度見直そうと思っていた時に写真を撮り直しました(;´∀`)

他にも…

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こちらはカメ、イグアナ、ヘビなどの爬虫類が収容されているエリアです。

部屋の温度は一定に保たれ、その種に適した照明の強度が調整されており、一匹ずつ十分な広さも確保されていました。

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イグアナさんも安心(*´∀`*)

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外のエリアを移動していると、家畜エリアに辿り着きました!

家畜も、動物福祉の観点から、苦痛を伴わない飼育と輸送などを考慮しなければならないと法律で定められています。

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この姿は…

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元気なアヒル!!近くに来てくれました(・∀・)ご飯を求めていたのでしょうか…(^◇^;)

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烏骨鶏まで!日中でしたが元気よく鳴いていました(笑)

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そしてこの広いエリアでのんびり草を食べているのは、ヤギやロバ!一般の動物園よりはるかに広い敷地が与えられている様子。

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近づいてもモグモグ食事をしていて、この余裕っぷりです( ^ω^ )

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そして、ティアハイムでも人気のエリアへ…

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そう、犬の収容エリアです!訪れた時は丁度訓練中でしたᕦ(ò_óˇ)ᕤトレーナーの元、ごはんを受け取ったり、お座り、伏せなど様々な訓練を受けているようでした!

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収容されて居る犬の情報(名前や収容日、推定年齢、収容経緯、性格、種類などなど)が一匹ずつ収容されて居るお部屋の前にファイリングされており、引き取りを希望する際の大事な情報を提供しています。

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参加中の少年も興味津々??ちょっとビビってます?(^^;;

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犬舎は、犬の鳴き声などが結構なボリュームですので一瞬驚きますが、様々な事情で収容された犬たちが人間を前に、何かを訴えているのかな…と感じずにはいられません。

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さて次の建物は…

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このポスターのシルエットは…

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こちらも人気のある猫舎!

こちらに収容された猫について、貼り紙を見ると実はこちらの猫には、Karin Zöllmerさんという方がスポンサーとしてついていることが分かります!

Zöllmerさんはこの子のために寄付を続けているのです!何かしら事情があり、実際にこの猫を引き取ることが出来ないとしても、この猫に対して寄付を続けていく事で新しい生活をサポートできる体制をティアハイムが提唱しているんです!

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こちらの写真は猫舎に飾られていたもので、新しい飼い主さんが家の中の写真を撮りティアハイムに送ってきたものです。

猫タワーに囲まれ、新しいお家で快適に暮らしているのでしょうね(*´ω`*)

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丁度、猫舎で気になる猫をスタッフに伝え、実際に訪問者が猫と触れ合っている様子です。

猫じゃらしなどのオモチャを使って遊んでいます。スタッフに猫の特徴や性格を確認しながら慎重にマッチングしています。

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犬、猫、エキゾチックアニマル(爬虫類など)、アヒルなどの家畜、などなど、ツアーでは2時間たっぷりと見て回りました。

今回だいぶ長くなってしまいつつ、ティアハイムの歴史やツアーの様子を綴ってまいりましたが、次回ヒロ担当ブログは、ドイツと日本の鳥さんの保護活動の比較記事を掲載予定です。

それでは、次回ヒロのブログ掲載をお楽しみに♪♪
ヒロ

※数値やデータは下記ホームページ、冊子より引用し掲載しています※
Tierheim Berlin ホームページ
http://www.tierschutz-berlin.de/tierheim.html

Berliner Tierfreund
(ティアハイム・ベルリン会員向け情報季刊誌、2016年No.3 「特集ティアハイム・ベルリン175周年」より年表データなどを参照)
http://www.tierschutz-berlin.de/presse/publikationen/berliner-tierfreund.html 

中庭で生きているふわふわの掛け玉


ベルリンの生活環境の一つの特徴は、集合住宅に囲まれている中庭です。

日本が明治・大正の時代だった頃からドイツの東西両方で建てられてきた「アルトバウ」(古い建物)という集合住宅は、ドイツが統一した頃から修理・修復が行われて、今日ではとても人気があります。

その中庭もきれいにされて、人間とその他の様々な生物の素敵な生息地になりました。

私は最近、自分が住んでいる中庭で非常にかわいい小鳥ちゃんに出くわしています。
その鳥は、クロウダトリの若いこどもです。

彼らはもう雛ではありませんが、まだ大人にもなっていません。
ふわふわの掛け玉と似ていて、めっちゃかわいいです。

また、意外にも人間が怖くないようです。近づいても、写真がちゃんと撮れます。

中庭にいる小鳥ちゃん



とても残念ですが、彼らはそろそろ成鳥になって、飛び立っちゃうと思います。

しかし、親鳥が私の中庭に滞在して雛を産んだことだけでも、すごく嬉しい出来事でした。

ヤクブ

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